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2011年11月3日木曜日

インタービュー  『尿吸引ロボ ヒューマニー 』について 専門家にお話を伺いました


大山美智江 氏 NPO福祉用具ネット理事 兼 事務局長
福岡県立大学附属研究所生涯福祉研究センター客員研究員、看護師、福祉用具プランナー
著書に「ウェルビーイングからの生活環境づくり」(2010年、ナカニシヤ出版、共著)など

ヒューマニーは仙骨部を濡らさない

●ヒューマニーの最大のメリットは何でしょうか?
「おむつの交換回数を少なくできることだと思います。おむつのようにお尻が広範囲に濡れませんから、交換を気にせず朝までゆっくり眠ることができます。つまり、介護者とご本人双方のQOL改善が期待できます。高齢者介護にとって夜間安眠を確保することの重要性は言うまでもありません。特に介護力が不足しがちなご家庭で活用できると良いですね。ただし、おむつ交換を減らすことは一概に良いこととは言い切れませんので、対象者の身体状況や介護環境に応じて導入を検討することが大切です。決して安易に手抜き介護を推奨するような使い方をしてはいけません。」
●『お肌を濡らさない』ことが一番の特長という ことですね?
「そうですね。ヒューマニーを上手に使えば、仙骨部をほとんど濡らさずに過ごせます。これは長時間のおむつ装着では絶対に実現できなかった価値ですね。実際にヒューマニーのご利用を開始してから床ずれが軽快した事例もありますので、床ずれでお悩みの方は一度検討されてはいかがでしょうか?ただし、床ずれには日常のスキンケアや体圧分散、健康状態など様々な要因が関係しているので、医師や看護師など関係者と連携して総合的に対処することが大切です。」

まずは「おむつ内環境の改善」を

●尿漏れの防止についてはどうお考えですか?
「ときどき『ヒューマニーを使えば尿漏れしなくなるのでは?』と期待される方がいらっしゃるようですが、それは少し違います。単純にパッドの構造からは、ヒューマニーの尿漏れ防止機能は普通の尿とりパッドと同じレベルだと考えるべきです。

ですから、まずはこれまでのおむつ内の悪環境『ビッショリ・グッショリ』が改善できることを期待して使用してみてはいかがでしょうか?最初から完璧なパッド装着は難しい場合もありますので、少しずつ取扱いに慣れてくれば、より確実で効率的な使い方ができるようになります。外側のおむつをしっかり装着しておけば、衣服やシーツへの汚染は防ぐことができます。介護に携わる方が『肌の濡れが少なくなる』という特長を正しく理解できるよう、適切に指導する必要があると思います。」

車椅子でも使用できる
●『ヒューマニーは寝たきりを助長するのでは?』との意見もありますが、どうお考えですか?
「それは使い方の問題もあると思います。まず、ヒューマニーは『安眠確保』を目的として『夜間のみ利用』するという使い方ができます。さらに、専用キャリングケースとバッテリーパックを活用すれば、ヒューマニーは車椅子でも使用することができます。すると、おむつ交換の場所を気にせずに外出できるようになるので、むしろ活動範囲が広がったという事例もあります。」

環境にも優しい排せつケア
●他にはどんなメリットが考えられますか?
「ゴミの量を圧倒的に削減できるので、環境問題への貢献も大きいと思いますね。また、タンクに溜まった尿量や時間、尿の色などから排せつ状態を客観的に把握することができます。そこから得られる情報をケアの見直しに役立てることもできるでしょう。対象者の条件はそれぞれ異なります。福祉用具は何でもそうですが、身体状況や介護環境など各々の条件に合わせて色々と工夫して活用されることをお勧めします。」 

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